○丹波市自然保護条例

平成16年11月1日

条例第142号

(目的)

第1条 この条例は、自然環境を保全することが特に必要な区域等の自然環境の適正な保全を推進することにより、将来の市民にこれを継承できるようにすることを目的とする。

(自然環境の保全及び創造)

第2条 市、事業者及び市民は、自然と人間の共生のため、それぞれの責務を自覚し、生物の多様性の確保その他の自然環境の保全及び創造に努めなければならない。

(土地の形状の変更等を行う事業者の配慮義務)

第3条 土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行おうとする事業者は、その事業の実施に当たって策定する計画について、あらかじめ、その事業に係る自然環境の保全について適正な配慮をしなければならない。

(生物の生息が可能な自然環境の保全及び創造)

第4条 市及び事業者は、生物の多様な生息空間を確保するため、生物の生息が可能な自然環境の保全及び創造に努めなければならない。

(自然保護地区の指定)

第5条 市長は、自然を保護するため、必要と認める地域等を自然保護地区(以下「保護地区」という。)として指定することができる。

2 前項の保護地区の区分及び態様は、次のとおりとする。

(1) 自然環境保護地区 樹木、山岳、丘陵、渓谷、河川等の所在する地域であって、良好な自然環境を維持するために保護することが必要な地区

(2) 動植物保護地区 野生動物の生息地(渡来及び繁殖地を含む。)又は植物の生育地であって、動植物の保護又は繁殖を図るために保護することが必要な地区

(3) 保護樹木(市街地又はその周辺に所在する樹木であって、美観風致を維持するため保全することが必要な樹木をいう。)

(4) 保護樹林(市街地又はその周辺の景観の優れた樹林であって、良好な自然環境の確保と市街地における美観風致を維持するため保全することが必要な樹林で樹木10本以上の集団をいう。)

3 市長は、保護地区を指定しようとするときは、丹波市環境審議会の意見を聴かなければならない。この場合において、市長は、あらかじめ土地の所有者、又は占有者の同意を得なければならない。指定された保護地区の所有権又は占有権が相続されたとき又は第三者に移行した場合も、同様とする。

4 市長は、保護地区を指定した場合には、規則で定めるところによる告示をしなければならない。

(指定の解除)

第6条 市長は、保護地区について、その指定する理由が消滅したときは、その指定を解除するものとする。

2 前項の解除については、前条の規定を準用する。

(標識の設置)

第7条 市長は、保護地区を指定したときは、当該保護地区内に保護地区である旨表示した標識を設けるものとする。

2 保護地区内の土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も第1項の規定により設けられた標識を、市長の承認を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。

(保護地区内の行為の許可申請)

第8条 保護地区内において、次に掲げる工事その他の行為(以下「行為」という。)をしようとする者は、あらかじめ規則で定める申請書を市長に提出し、許可を受けなければならない。ただし、保護地区に指定され、若しくはその区域が拡張された際、すでに当該行為に着手している行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。

(1) 動物の捕獲又はその卵の採取

(2) 植物の伐採又は採取

(3) 土石類の採取

(4) 土地開発等の工事

(5) 河川、ため池等の水位又は水量に増減を及ぼす行為

(6) 建築物その他工作物の新築、改築又は増築

(行為の許可)

第9条 市長は、前条の申請があった場合、別表に定める保護基準に違反しないときは、これを許可しなければならない。

2 市長は、前項の許可をするに当たって、自然保護のため、必要な限度において条件を付することができる。

(原状回復命令)

第10条 市長は、自然を保護するために特に必要があると認めるときは、第9条の規定に違反し、又は同条第2項の規定により付した条件に違反した者に対して、その保護のため必要な限度において原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合には、これに代るべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

(その他)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成16年11月1日から施行する。

(平成22年3月17日条例第8号)

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第2条の改正規定は、自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律(平成21年法律第47号)の施行の日から施行する。

別表(第9条関係)

自然保護に関する保護基準

区分

許可申請を要しない行為

1 第5条第2項第1号

(1) 自然環境保護地区

1 建築物、工作物等の新築、改築、増築又は移転で、その新築、改築、増築又は移転に係る部分の高さが1.5メートル以下であるもの

2 枯損した竹木の伐採

3 危険な竹木の伐採

4 自家用のための竹木の伐採

(群状択伐を除く。)

5 除伐、間伐、整枝等竹木の保育のために通常行われる竹木の伐採

6 仮植した竹木の伐採

7 施設の保守の支障となる竹木の伐採

8 面積が10平方メートル以下の土地の形質の変更で、高さが1.5メートル以下の法面を生ずる切土若しくは盛土を伴う土地の形質の変更又はこれと同程度の土石類の採取

9 面積が10平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓

10 前各号に掲げるもののほか次に掲げる行為

(1) 建築物の存する敷地内で行う行為

ア 高さが5メートル以下の竹木の伐採

イ 高さが1.5メートル以下の法面を生ずる切土若しくは盛土を伴う土地の形質の変更又はこれと同程度の土石類の採取

(2) 農業、林業又は漁業を営むための行為

ア 物置、作業小屋等の新築、改築、増築又は移転でその床面積の合計が90平方メートル以下であるもの

イ 用排水施設(幅員が2メートル以下のもの)又は幅員が2メートル以下の農道若しくは林道の設置

ウ 宅地の造成(アに規定する建築物の新築、改築、増築又は移転のために必要な最小限度のもの)

11 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

12 河川法(昭和39年法律第167号)第3条第2項に規定する河川管理施設。砂防法(明治30年法律第29号)第1条に規定する砂防設備、森林法(昭和26年法律第249号)第41条第1項若しくは第3項の規定により行う保安施設事業に係る施設、地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第2条第3項に規定する地すべり防止施設又は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第2条第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設の新築、改築又は増築

13 信号機、防護柵、土留よう壁その他鉄道、軌道又は自動車道の交通安全を確保するために必要な施設の改築又は増築(信号機にあっては新築を含む。)

14 道路の舗装又は道路のこう配緩和、線形改良、その他道路の改良で、その現状に著しい変更を及ぼさないもの

15 ため池の保全のために行う行為

2 第5条第2項第2号

(2) 動植物保護地区

1 (1)の項3~7まで及び11に掲げる行為

3 第5条第2項第3号及び同項第4号

(3) 保護樹木及び保護樹林

1 樹木の保育のために通常行われる行為

2 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

丹波市自然保護条例

平成16年11月1日 条例第142号

(平成22年4月1日施行)