○丹波市建設工事監督要綱

平成20年7月18日

訓令第90号

(趣旨)

第1条 この要綱は、市が発注する土木工事、建築工事及び設備工事(以下「建設工事」という。)の請負契約の適正かつ円滑な履行を確保するため、丹波市財務規則(平成16年丹波市規則第41号。以下「規則」という。)第98条及び第99条の規定に基づき、監督の実施について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 監督職員 規則第98条第2項の規定に基づき契約担当者が命じた職員で、総括監督員及び主任監督員をいう。

(2) 主管課長 建設工事を所掌する課等(以下「主管課」という。)の長で、監督職員を指導する者をいう。

(3) 設計図書 図面、仕様書(共通仕様書及び特記仕様書をいう。)、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。

(4) 契約図書 契約書及び設計図書をいう。

(監督職員の任命)

第3条 契約担当者は、請負契約を締結したときは、次の区分により監督職員を任命するものとする。

(1) 総括監督員 主管課の係長相当職以上の職員

(2) 主任監督員 主管課の現場監督を主として担当する職員

2 監督職員は、規則第98条に定める検査職員を兼ねることができない。

(監督職員の通知)

第4条 契約担当者は、前条第1項の規定により監督職員を任命したときは、監督職員選定通知書により、請負者に通知するものとする。

2 前項の規定は、監督職員の変更について準用する。

(指揮監督)

第5条 総括監督員は、契約担当者の命を受け、主任監督員を指揮監督する。

2 主任監督員は、契約担当者の命を受け、建設工事の監督に従事する。

(監督職員の責務)

第6条 監督職員は、請負者その他利害関係人に対しては、常に厳正かつ公平な態度で臨まなければならない。

(監督職員の業務)

第7条 監督職員は、建設工事請負契約の約款及び設計図書で定める監督業務を行うものとする。

(監督業務の分担)

第8条 監督職員は、当該監督業務を次のとおり分担するものとする。

(1) 総括監督員(総括業務担当)

 建設工事請負契約に基づく契約担当者の権限とされる事項のうち、当該契約担当者が必要と認めて委任したもの

 契約の履行について、請負者に対する指示、承諾及び協議で重要と認めるものの処理

 関連する2以上の建設工事の監督を行う場合における建設工事の工程等の調整で重要と認めるものの処理

 建設工事の一時中止又は打切りの必要があると認める場合における契約担当者に対する報告

 主任監督員の指揮監督及び監督業務の掌握

 建設工事の成績評定(主任監督員が行うものを除く。)

(2) 主任監督員(現場業務担当)

 契約の履行について、請負者に対する指示、承諾又は協議(重要なものを除く。)の処理

 建設工事の実施のための詳細図等の作成及び交付並びに請負者が作成した図面等の承諾

 契約図書に基づく工程の管理、立会、段階確認、工事材料の試験及び検査の実施(他の者に実施させ、当該実施を確認することを含む。)

 関連する2以上の建設工事の監督を行う場合における建設工事の工程等の調整(重要なものを除く。)

 建設工事の内容の変更(重要なものを除く。)

 建設工事の一時中止又は打切りの必要があると認める場合における総括監督員への報告

 現場監督業務の掌握

 建設工事の成績評定(総括監督員が行うものを除く。)

(請負者への指示、承諾及び協議)

第9条 監督職員は、建設工事の施工について現場代理人等へ指示を行うときは、指示書によるものとし、当該指示について承諾を得たときは、承諾書を徴するものとする。

2 現場代理人から建設工事の施工について協議があった場合の承諾は、承諾書又は提出された協議文書に承諾の旨を明示した通知書によるものとする。

(監督等の記録)

第10条 監督職員は、第8条に掲げる監督業務を遂行するために発送及び収受した指示書、承諾書、協議文書等を整理し、建設工事の経過を明らかにして保管しなければならない。

2 監督職員は、前項の記録のうち重要な事項について主管課長の承認を得るものとする。

(施工体制の確認)

第11条 監督職員は、請負者に対し、技術者の配置状況、下請負人の使用状況等を確認し、主管課長に報告するものとする。

(工事関係者に関する措置請求)

第12条 監督職員は、現場代理人、主任技術者、監理技術者、専門技術者その他請負者が建設工事を施工するために使用している下請負人、労働者等で、建設工事の施工又は管理について適当であるかを確認し、主管課長に報告するものとする。

2 主管課長は、前項の規定による報告を受けたときは、請負者に対し、必要な措置をとるように請求するものとする。

(履行報告の確認)

第13条 監督職員は、設計図書に定めるところにより、契約の履行について、請負者に報告させ、確認しなければならない。

(建設工事関係書類)

第14条 監督職員は、次に掲げる書類等を当該工事の進捗に応じて常に整理し、必要に応じて主管課長に提出しなければならない。

(1) 建設工事請負契約書

(2) 設計図書及び積算設計書

(3) 施工管理記録(工程管理図書、出来形管理図書、品質管理図書、工事写真、工事カルテ、施工体制台帳、施工体系図等)

(4) 工事請負日誌及び工事材料購入伝票

(5) 指示(請求、通知、解除)・承諾書の写し、工事打合せ簿

(6) その他監督職員が必要と認める書類

(工程管理)

第15条 監督職員は、建設工事の適正な履行を確保するため、建設工事の進捗状況について常に把握するよう努めなければならない。

2 監督職員は、工事施工計画書等に基づき建設工事の促進に努めなければならない。

3 監督職員は、当該建設工事が遅延するおそれがあると認められるときは、請負者に対し、厳重に注意するとともに、その旨を主管課長に報告しなければならない。

4 監督職員は、天災その他やむを得ない理由により、建設工事の進捗が妨げられたときは、その状況を調査し、速やかに主管課長に報告しなければならない。

(監督の技術基準)

第16条 監督職員が監督を行うための技術基準は、丹波市建設工事監督技術基準のほか、兵庫県県土整備部土木請負工事監督要領、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の建築工事監理指針、電気設備工事監理指針、機械設備工事監理指針及び建築改修工事監理指針に掲げる事項その他関係法令によるものとする。

(詳細設計図書の作成)

第17条 監督職員は、必要があると認めたときは、設計図書に基づき詳細設計図を作成して請負者に交付し、又は請負者が作成した詳細設計図を検査し、必要な指示を与えなければならない。

(工事材料の検査)

第18条 監督職員は、設計図書で指定した工事材料について、請負者から検査を請求されたときは、請求を受けた日から起算して7日以内に実施しなければならない。

2 監督職員は、設計図書において定められた規格、品質及び数量について、前項に規定する検査をした結果、不合格となった工事材料については良品と交換補充させ、当該不合格となった工事材料を当該不合格となった日から起算して7日以内に現場から搬出させなければならない。

(立会い及び工事記録の請求等)

第19条 監督職員は、設計図書において監督職員立会いの上調合し、又は調合について見本検査を受けるものと指定された工事材料及び立会いの上施工するものと指定された建設工事について、請負者から立会い又は見本検査の請求をされたときは、当該請求を受けた日から起算して7日以内に実施しなければならない。

2 監督職員は、前項に規定する請求に対し当該期間内に応じることができない場合で、その後の工程に支障が生じると認めるときは、請負者に対し、工事材料の調合若しくは建設工事の施工を適切に行ったことを証する見本の採取又は工事写真等の記録を指示し、これを施工させ、後日その内容の適否を確認しなければならない。

3 監督職員は、水中又は地下に埋設する工事その他完成後外面から明視することができないものについては、その施工に立会い、請負者に工事写真を撮影させなければならない。ただし、やむを得ない理由により立会いができないときは、その都度当該工事の施工を適切に行ったことを証する見本又は工事写真等の記録により、後日その内容の適否を確認しなければならない。

(段階検査)

第20条 監督職員は、重要な工事段階の区切り目又は設計図書に明示したものについて段階確認を行わなければならない。

(改造請求及び破壊検査)

第21条 監督職員は、建設工事の施工部分が設計図書に適合せず、改造が必要と認めるときは、主管課長に報告し、承認を得て、請負者に対し当該工事の改造を請求しなければならない。

2 監督職員は、必要があると認めるときは、施工部分を破壊して検査することができる。

(条件変更等の確認)

第22条 監督職員は、次に掲げる事項を発見したとき又は請負者から通知を受けたときは、請負者立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。

(1) 設計図書と工事現場が一致しないとき。

(2) 設計図書に誤り又は脱漏があるとき。

(3) 設計図面の表示が明確でないとき。

(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない状態が生じたとき。

(5) 設計図書で明示されていない施工条件について、予期することのできない特別な状況が生じたとき。

2 監督職員は、前項各号について、調査の結果を請負者の意見を聴いて取りまとめ、主管課長に報告の上、調査の終了後14日以内にその結果を請負者に通知しなければならない。この場合において、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ請負者の意見を聴いた上で、当該期間を延長することができる。

(工事の変更及び中止)

第23条 監督職員は、建設工事の内容変更、工期の変更、建設工事の一時中止又は建設工事の打切りの必要があると認めるときは、速やかに主管課長に報告し、指示を受けなければならない。

(緊急処置)

第24条 監督職員は、災害防止等のため必要があると認めるときは、請負者に臨機の措置を指示し、その措置結果を主管課長に報告しなければならない。

2 主管課長は、前項の報告があったときは、災害防止等の措置について適切であるかを確認し、必要に応じて指導を行わなければならない。

(工事関係者に対する措置)

第25条 監督職員は、現場代理人、主任技術者、監理技術者、専門技術者その他工事に使用している下請負人、労務者等が建設工事の施工又は管理について著しく不適当と認めるときは、速やかに主管課長に報告しなければならない。

2 前項の場合において、主管課長又は監督職員は、請負者に対し直ちに適切な指示又は措置請求を行わなければならない。

(工期の延長等)

第26条 監督職員は、請負者から工期延長願又は工事着手延期願の提出を受けたときは、直ちに内容を調査し、主管課長に報告しなければならない。

(現場発生品の取扱い)

第27条 監督職員は、建設工事の施工に伴い、コンクリート二次製品、土砂、鋼材等現場発生品が生じたときは、設計書に明記されている場合を除き、請負者から現場発生品調書を提出させるものとし、規則の定めるところにより取り扱うものとする。

(工事目的物等の損害)

第28条 監督職員は、建設工事目的物の引渡しを受ける前に、請負者が当該建設工事目的物若しくは当該建設工事に係る工事材料、若しくは建設工事の施工に関して損害を生じさせたとき又は建設工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、直ちにその事実を調査し、意見を付して主管課長に報告し、その指示を受けなければならない。

(監督職員の報告等)

第29条 監督職員は、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、速やかに主管課長に報告しなければならない。ただし、あらかじめ主管課長から指示を受けた事項に該当する場合においては、この限りでない。

(1) 請負者が請負契約の規定に違反して、建設工事を施工したと認められる場合において、破壊検査等が必要と認められるとき。

(2) 請負者の要求又は通知が契約内容の変更を要するものと認められるとき。

(3) 前2号に掲げるもののほか、監督職員の職務執行上主管課長の指示を受けることが適当と認められるとき。

2 主管課長は、前項の規定による報告を受けた場合においては、速やかに監督職員に指示しなければならない。

(既済部分の調査)

第30条 監督職員は、契約解除による既済部分の引取りの必要があるときは、その建設工事の引取りの対象となるべき部分の出来高を調査の上、精算設計書を作成しなければならない。

2 契約に特別の定めがある場合のほか、部分払又は引取り対象となる部分は、現実に確認できるものであって、当該工事の出来高及び調査の時期に工事現場にある検査済の工事材料及び加工工事材料(変質のおそれのあるものを除く。)とする。

(監督職員の出来形及び完成確認)

第31条 監督職員は、請負者から工事の完成届の提出又は部分払のための出来高等の確認の請求があったときは、請負者の立会いの上、出来形、品質等について検査しなければならない。

(検査職員が行う検査の立会い)

第32条 監督職員は、その工事の完成検査、中間検査及び出来高検査に当たり、請負者に対し検査に必要な準備をさせるものとし、検査に立ち会わなければならない。

(検査の事前協議)

第33条 監督職員は、前条に規定する検査を受けようとするときは、あらかじめ検査職員に協議しなければならない。

2 監督職員は、前項の協議において検査職員から求められたときは、当該建設工事に係る設計図書等を提出しなければならない。

(手直し工事の確認)

第34条 監督職員は、中間検査及び完成検査において、検査職員が工事の改造、補修等手直し工事を指示した事項については、その履行を確認し、結果を検査職員に報告し、及び必要な指示を受けなければならない。

(補助監督員の業務及び権限)

第35条 監督職員が行う請負者に対する指示、通知等は、補助監督員(当該建設工事に関する監督業務を受託したコンサルタント等で、請負者に対し設計図書で明記したものをいう。)を通じて行うことができる。

2 請負者が行う監督職員に対する報告、通知等は、補助監督員を通じて行うことができる。

3 補助監督員は、指示、承諾、協議及び確認の適否を行う権限を有しない。

(その他)

第36条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

この要綱は、平成20年8月1日から施行し、同日以後に契約がなされた建設工事に適用する。

丹波市建設工事監督要綱

平成20年7月18日 訓令第90号

(平成20年8月1日施行)

体系情報
第6編 務/第2章 契約・財産
沿革情報
平成20年7月18日 訓令第90号