○丹波市丹(まごころ)の里手話言語条例

平成27年12月22日

条例第45号

言語は、お互いの感情を分かり合い、知識を蓄え、文化を創造する上で不可欠なものであり、人類の発展に大きく寄与してきた。

手話は、音声言語である日本語とは異なり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語である。ろう者は、物事を考え、お互いの気持ちを理解し合うためのコミュニケーション手段として手話を使用してきた。また、知識を蓄え、文化を創造するために必要な言語として、大切に育み受け継いできた。

しかし、これまで手話が言語として認められず、手話を使用することができる環境が整えられてこなかったことから、ろう者は、必要な情報を得ることもできず、多くの不便や不安を感じながら生活してきた。

こうした中、障害者の権利に関する条約や障害者基本法において、手話が言語として位置づけられ、私たち市民は、手話を必要とするすべての人が、いつでも自由に手話を使える地域社会となるよう取り組む必要がある。

よって、ここにすべての丹波市民が、手話が言語であることを理解し、誰もが社会参加できるこころ豊かな住みよい丹波市となることを目指してこの条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解及び普及に関し基本理念を定め、市の責務と市民の役割を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本的事項を定めることにより、手話を必要とする市民が、あらゆる場面で手話による意思疎通を行い、自立した日常生活を営み、社会参加をし、安心して暮らすことのできる地域社会が実現することを目的とする。

(手話の意義)

第2条 市及び市民は、手話が独自の言語体系を有する文化的所産であって、ろう者がさまざまな知識を得てこころ豊かな社会生活を営むために、大切に受け継いできたものであることを理解しなければならない。

(基本理念)

第3条 手話の理解及び普及は、手話を必要とする市民が、手話により意思疎通を円滑に図る権利を有し、その権利が尊重されることを基本として行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、市民の手話に対する理解を広げ、手話を使いやすい環境にするための施策(以下「施策」という。)を推進するものとする。

(市民の役割)

第5条 市民は、手話の理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(施策の推進方針)

第6条 市は、施策を推進するための方針(以下「施策の推進方針」という。)を策定するものとする。

2 施策の推進方針には、次の事項を定めるものとする。

(1) 手話の理解及び普及に関する事項

(2) 手話による情報取得及び手話の使いやすい環境づくりに関する事項

(3) 手話通訳者の配置又は派遣等意思疎通支援に関する事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

(協議会の設置)

第7条 施策を推進するため、丹波市手話施策推進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会は、委員15名以内で組織し、次の各号に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 識見を有する者

(2) 手話による意思疎通を行う者

(3) 手話による意思疎通を支援する者

(4) 公募による市民

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める者

3 協議会は、施策の推進方針及び実施状況について審議し、市長に意見を述べることができる。

(財政上の措置)

第8条 市は、施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(その他)

第9条 この条例の施行に関して必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

丹波市丹(まごころ)の里手話言語条例

平成27年12月22日 条例第45号

(平成28年4月1日施行)