○丹波市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年9月25日

告示第695号

(趣旨)

第1条 この要綱は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号に規定する事業として、認知症の者やその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする認知症初期集中支援推進事業(以下「推進事業」という。)を実施するために必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 推進事業の実施主体は、丹波市とする。ただし、市長は、この事業の全部又は一部を適切な事業運営が確保できると認められる者に委託することができる。

(支援対象者)

第3条 推進事業の支援対象者(以下「訪問支援対象者」という。)は、市内に住所を有し、原則として、在宅で生活している40歳以上の者であって、認知症が疑われる者又は認知症の者で次の各号のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動及び心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(実施体制)

第4条 支援チームは、地域包括支援センターに配置する。

2 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、次に掲げる専門職2人以上及び専門医1人の計3人以上で編成する。

(1) 専門職は、次に掲げる要件をすべて満たすものとする。

 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

 認知症ケアや在宅ケアの実務及び相談業務等に3年以上携わった経験がある者

 国が別途定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、必要な知識及び技能を習得した者

(2) 専門医は、次のいずれかに掲げる要件を満たすものとする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医であって、認知症サポート医である者

 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、認知症サポート医である者

3 前項の規定にかかわらず、やむを得ない場合には、同項第1号ウに規定する研修を受講したチーム員が受講内容を支援チーム内で共有することを条件として、同号アに該当する者で当該研修を受講していない者を同号に規定する専門職とすることができる。

4 第2項第2号の規定にかかわらず、同号に規定する専門医の確保が困難な場合は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する医師を専門医とすることができるものとする。

(1) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、5年以内に認知症サポート医研修を受講する予定のある者

(2) 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者。ただし、認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図って従事していた場合に限る。

(チーム員の役割)

第5条 前条第2項第1号の要件を満たす専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期の集中的な支援を行うため、訪問支援対象者及びその家族(以下「訪問支援対象者等」という。)への訪問活動等を行う。

2 前条第2項第2号の要件を満たす専門医は、他のチーム員を支援し、認知症に関する専門的見識から指導、助言等を行うとともに、必要に応じて他のチーム員とともに訪問支援対象者等を訪問し、相談に応じる。

3 訪問支援対象者等を訪問する場合のチーム員数は、初回の観察及び評価の場合は、原則として、保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士等の医療系職員及び精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の介護系職員それぞれ1人以上の計2人以上とする。

(初回訪問時の支援)

第6条 支援チームは、家族の訴え等により訪問支援対象者を初めて訪問する際に、次に掲げる支援を訪問支援対象者等に行うものとする。

(1) 認知症の包括的観察及び評価

(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(3) 専門的医療機関への受診及び介護サービスの利用の効果に関する説明

(4) 訪問支援対象者等の心理的サポート、助言等

2 支援チームは、訪問支援対象者等を初めて訪問するに当たっては、訪問支援対象者の家族等あらかじめ協力の得られる者が同席できるよう調整を行い、訪問支援対象者の現病歴、既往歴、生活情報等に加え、家族の状況等を情報収集するとともに、別に定める様式を用いて、認知症の包括的観察及び評価を行うものとする。

(初期集中支援の方針等の検討)

第7条 支援チームは、前条に規定する初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察及び評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等(以下「支援方針等」という。)を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行うものとする。

2 支援チームは、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、市関係課職員等に対し、チーム員会議への参加を依頼するものとする。

(初期集中支援の実施)

第8条 支援チームは、前条第1項の規定により検討した支援方針等を決定した後、次に掲げる初期の集中的な支援を訪問支援対象者等に行うものとする。

(1) 医療機関の受診が必要な訪問支援対象者への受診の動機付け

(2) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援

(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(4) 認知症の重症度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境等の改善

(7) その他必要な初期の集中的な支援

2 支援チームが支援する期間は、訪問支援対象者が医療サービス及び介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、おおむね最長で6月間とする。

3 支援チームは、支援の終了について判断するため、専門医も含めたチーム員会議を行うものとする。

(初期集中支援終了後の支援)

第9条 支援チームは、訪問支援対象者について初期の集中的な支援を終了することを判断した場合、地域包括支援センター職員、当該訪問支援対象者を担当する介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法により、円滑に引継ぎを行うものとする。

2 支援チームは、前項に規定する引継ぎを行った訪問支援対象者について、チーム員会議においてサービスの利用状況等を評価し、支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

(記録の保管)

第10条 支援チームは、訪問支援対象者に関する情報、観察、評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保存しなくてはならない。

(守秘義務)

第11条 支援チーム員その他関係者は、正当な理由なく、業務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(支援チームに関する普及啓発)

第12条 市長は、地域住民、関係機関、団体等に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動、協力依頼等の地域の実情に応じた取組みを行うものとする。

(その他)

第13条 この要綱に定めるもののほか推進事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この要綱は、平成29年10月1日から施行する。

丹波市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年9月25日 告示第695号

(平成29年10月1日施行)