○丹波市産後ケア事業実施要綱
令和7年4月1日
告示第146号
丹波市産後ケア事業実施要綱(平成30年丹波市告示第158号)の全部を次のように改正する。
(趣旨)
第1条 この要綱は、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子の愛着形成を促し、母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援することを目的として丹波市産後ケア事業(以下「事業」という。)を実施することに関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において、「産後ケア」とは、次の各号に掲げるものをいう。
(1) 母親への保健指導及び栄養指導
(2) 母親の心理的ケア
(3) 乳房ケア又は授乳支援
(4) 育児の手技に係る指導及び相談
(実施主体等)
第3条 事業の実施主体は、丹波市(以下「市」という。)とする。
2 市長は、事業の全部又は一部を、次の各号に掲げる要件を満たす者であって、事業の適切な実施及び運営が確保できると認められるもの(以下「協力機関」という。)に委託することができるものとする。
(1) 医療法(昭和23年法律第205号)に規定する病院、診療所及び助産所(出張のみによってその業務に従事する助産師を含む。)であって、その所在地が兵庫県内であること。
(2) 事業に関する知識及び技術を有していること。
(3) 事業に従事する助産師、保健師又は看護師(以下「助産師等」という。)のいずれかを常時1名以上配置し、産後ケアを実施する体制が確保できること。
(4) 第5条に規定する事業内容を提供できること。
(5) 事業を安全かつ快適に提供できること。
(6) 市と適切な連携及び調整を行うことができること。
(対象者)
第4条 事業の利用の対象となる者(以下「対象者」という。)は、市内に住所を有する産後1年を経過しない母親及び乳児又は流産若しくは死産をした日から1年以内の者であって、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(1) 産後ケアを必要とする者
(2) その他市長が必要と認める者
(1) 麻疹、風疹、インフルエンザ等の感染性疾患に罹患している者
(2) 入院加療の必要がある母親
(3) 心身の不調又は疾患がある母親であって、医療的介入の必要がある者(医師が事業の対象者とすることができると判断する者を除く。)
(4) その他事業の利用が適当でないと市長が認める者
(1) 宿泊型 協力機関に宿泊させて行う産後ケア、食事の提供、入浴機会の提供等
(2) 通所型 日帰りで協力機関を利用(以下「通所」という。)して行う産後ケア及び必要に応じた食事の提供
(3) 訪問型 家庭を訪問して行う産後ケア
(4) 乳房ケア型 通所により助産師が行う乳房マッサージ、授乳指導等
(1) 宿泊型 通算7日以内(0時から24時までの利用を1日とする。)
(2) 通所型 通算49時間以内
(3) 訪問型 通算21時間以内
(4) 乳房ケア型 通算2回以内
2 サービスの実施日及び実施時間は、協力機関が定めるものとする。
2 前項の場合において、申請者が、世帯に属する全ての者が事業を利用する年度(4月又は5月にサービスを利用する場合にあっては前年度)分の市町村民税が課されていない世帯(以下「非課税世帯」という。)に属する者又は生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受ける被保護世帯(以下「被保護世帯」という。)に属する者であるときは、そのことを証する書類を市長に提出しなければならない。
3 前項の場合において、書類により証明すべき事実を市の公簿等により確認することができるときは、当該書類の添付を省略することができる。
4 第5条第4号のサービスを利用しようとする者は、丹波市乳房ケア助成券交付申請書を市長に提出しなければならない。
(利用承認及び通知)
第8条 市長は、前条第1項の規定による申請があった場合は、その内容を審査し、利用を承認したときにあっては丹波市産後ケア事業利用券(以下「利用券」という。)の交付により、利用の不承認の決定をしたときにあっては丹波市産後ケア事業利用不承認通知書により、速やかに申請者に通知するものとする。
3 協力機関は、前項の規定による予約があったときは、利用者に対し、当該サービスの利用を開始するまでに、その内容を説明しなければならない。
4 協力機関は、前項の規定による予約を受けたときは、市長に利用報告を行い、及び情報提供を依頼するものとする。
5 市長は、前項の規定による報告及び依頼を受けたときは、依頼書に申請書兼同意書の写し及び利用券の写しを添えて、速やかに協力機関に提出するものとする。
6 市長は、前条第4項の規定による申請があったときは、その内容を審査し、利用を承認したときは、申請者に乳房ケア助成券を交付するものとする。
(利用承認内容の変更)
第9条 利用者は、利用日時に変更が生じた場合は、速やかに、協力機関に連絡しなければならない。
3 利用者は、氏名及び住所の変更があったときは、速やかに市長に連絡するものとする。
(自己負担額)
第10条 利用者は、サービスの利用に当たり、当該サービスの利用に要した費用から市の負担額(別表に定めるサービスの区分に応じ、それぞれ定める市の負担額をいう。以下同じ。)を控除した額(以下「自己負担額」という。)を負担しなければならない。
2 自己負担額は、サービスを利用する当日に、利用者が協力機関に対し直接支払うものとする。
3 協力機関は、サービスの利用に際し発生する食費、個室、光熱水費、寝具、消毒及び交通費(訪問型の利用に限る。)以外の必要となる費用の実費額を、別途利用者から徴収することができる。
2 協力機関は、本事業の終了後においても引き続き支援が必要であると判断された利用者について、市と連携し、及び情報共有を図るものとする。
(市の負担額の支払)
第12条 市長は、前条第1項の規定による請求があったときは、その内容を審査し、適当と認めたときは、当該請求のあった日から30日以内に支払うものとする。
(研修の実施)
第13条 協力機関は、事業の従事者に対し、事業を実施するために必要な研修を実施し、又は受講させ、その資質の向上に努めるものとする。
(書類の整備等)
第14条 協力機関は、事業の適正な実施を確保するため、サービスに関する記録その他必要と認める書類を整備しなければならない。
2 市長は、協力機関に対し、書類を提出させ、又はサービス内容を確認するほか、事業の適正な実施を確保するために必要な調査を実施することができる。
(書類の保管及び廃棄)
第15条 協力機関は、事業に関係する書類を、所定の保管場所に収納し、滅失、毀損、盗難等の防止に十分留意するとともに、当該事業が完了した日から5年間保存するものとする。
2 協力機関は、保存年限が過ぎた書類を廃棄するときは、裁断又は溶解処理の方法により情報の漏えい防止のための措置を講じるものとする。
(事業内容の改善)
第16条 市長は、事業の適正な実施を確保するとともに、良質なサービスが提供されることを目的として、事業の内容を調査し、改善が必要と認めるときは、その是正のための必要な措置を講じるものとする。
(秘密の保持)
第17条 協力機関は、事業の従事者又は従事者であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を講じなければならない。
(安全管理体制)
第18条 協力機関は、市が別途作成する安全管理マニュアルに基づき、緊急時における対応等について、日頃から対策を講じるものとする。
2 協力機関は、事業の実施に必要な賠償責任保険に加入するものとする。
(事故及び損害の責任)
第19条 協力機関は、事業により生じた事故及び損害については、市に故意又は重過失のない限り、その責任と費用負担により処理するものとする。
2 協力機関は、前項に規定する事故が発生したときは、直ちに市に連絡するとともに、母親のみに事故があった場合にあっては産後ケア事業事案等発生時報告書により、事故に幼児が含まれる場合にあっては教育・保育施設等事故報告書により、市長へ報告しなければならない。
3 市長は、前項の規定による報告があった事故のうち、死亡事故又は治療に要する期間が30日以上の負傷若しくは疾病を伴う重篤な事故等の重大事案が発生したときは、直ちに兵庫県を通じて国へ報告しなければならない。
(その他)
第20条 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この要綱は、令和7年4月1日から施行する。
別表(第10条関係)
サービスの区分 | 利用単価 | 世帯区分 | 費用区分 | 市の負担額 |
宿泊型 | 利用1日当たり | 課税世帯 | 基本額 | 28,000円 |
多胎加算 | 7,000円 | |||
要支援加算 | 7,000円 | |||
非課税世帯 | 基本額 | 31,000円 | ||
多胎加算 | 7,000円 | |||
要支援加算 | 7,000円 | |||
被保護世帯 | 基本額 | 31,000円 | ||
多胎加算 | 7,000円 | |||
要支援加算 | 7,000円 | |||
通所型 | 利用1時間当たり(30分未満切り捨て、30分以上切上げ) | 課税世帯 | 基本額 | 3,060円 |
多胎加算 | 1,000円 | |||
要支援加算 | 500円 | |||
非課税世帯 | 基本額 | 3,400円 | ||
多胎加算 | 1,000円 | |||
要支援加算 | 500円 | |||
被保護世帯 | 基本額 | 3,400円 | ||
多胎加算 | 1,000円 | |||
要支援加算 | 500円 | |||
訪問型 | 利用1時間当たり(30分未満切り捨て、30分以上切上げ) 交通費含む。 | 課税世帯 | 基本型 | 4,500円 |
多胎加算 | 1,000円 | |||
要支援加算 | 1,000円 | |||
非課税世帯 | 基本額 | 5,000円 | ||
多胎加算 | 1,000円 | |||
要支援加算 | 1,000円 | |||
被保護世帯 | 基本額 | 5,000円 | ||
多胎加算 | 1,000円 | |||
要支援加算 | 1,000円 | |||
乳房ケア型 | 利用1回当たり | ― | ― | 2,500円 (助成券) |
備考
1 多胎加算は、2人以上の乳児がサービスを利用する場合に、2人目以降の乳児1人につき加算するものとする。
2 要支援加算は、アセスメントシート等を活用し支援の必要性が高いと市長が判断した特定妊婦等がサービスを利用する場合において、協力機関がアセスメント及びケアプランの作成に基づくケアの実施及び評価並びに市及び関係機関と連携したときに加算するものとする。