ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

過去の展覧会 令和元年度

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年5月7日更新

中国景徳鎮現代陶磁展 -エンバ景徳鎮陶磁美術コンクールからの軌跡-

チラシ表  チラシ裏

会期

令和2年2月22日(土曜日)~令和2年4月9日(木曜日)

※4月10日(金曜日)~4月12日(日曜日)は新型コロナウイルス感染予防対策のため休止となった

月曜日は休館

ただし、2月24日は開館、翌25日は休館。

観覧料

一般500円、大学・高校生300円、中・小学生150円、ココロンカード利用可、まなびすとカード利用可

団体割引(20名様以上 一般400円、大学・高校生300円、小学生100円)

内容

 中国江西省にある景徳鎮窯は、宋代景徳年間に宮廷に納める磁器窯が置かれて以降、元、明、清代にかけて発展を続けてきました。明代には薄く透明感のある白磁胎にコバルトで絵付けをした青花磁器、清代では五彩や粉彩等の技法を生み出しながら、永らく中国陶磁の代表的な産地として、世界に名を知られてきました。

 しかし、清朝の衰退とともに陶磁器生産も衰退しました。その後内戦、日中戦争の混乱期を経て、国営工場のもとで工業生産製品として新たに復興し、そのなかで、明清代の倣古作を中心に造られ始め、新たな展開を見せ始めます。

 当館創設者でもある故 植野藤次郎氏は、中国美術にも造詣が深く、景徳鎮の陶磁生産のかつての隆盛を願い、当地における技術の継承と陶工の紹介を兼ねて、現地にて主に絵付け作家のコンクールを企画しました。そこでは、故 木村重信氏をはじめ、日本の陶磁等美術研究者・評論家・陶芸家を審査員とし、若手を中心に多くの作家を紹介しました。

 当館では、植野氏及び植野アジア芸術文化振興財団から、平成6年の美術館開設と同時に、エンバ中国景徳鎮陶磁美術コンクール出展作家関連作品の寄贈を受け、現在まで館蔵品の核となっております。

 これら陶磁器製作者については、エンバ中国(景徳鎮)陶磁美術コンクールの開催(平成2年から4年間開催)及び作品蒐集から25年以上経過し、景徳鎮陶磁生産の隆盛とともに、美術工芸大師(いわゆる日本で言うところの人間国宝)となった方も多く、また物故者も増え、現地でも作家の世代交代も進んできています。

 本展では、開館25周年を記念して、コンクールに参加した現在活動中の作家の最近の作品と館蔵作品を比較して展示し、エンバ中国景徳鎮陶磁美術コンクールを回顧します。あわせて、現代の景徳鎮陶磁生産や若手作家の作品を紹介いたします。

海を越えた憧れ -印象派から日本の近代洋画へ- ひろしま美術館名品展                                     11月3日(土曜日)~12月22日(日曜日)

 チラシ表  チラシ裏

 明治期開設の第六十六銀行を祖とする広島銀行は、苛烈な被爆体験を経たヒロシマの戦後復興を牽引しつつ、さらにその文化的貢献を図って、積極的に美術作品のコレクションを続けています。その内容は、日本の近代絵画を中心に、フランス近代絵画等の著名な作家の西洋画をも含んでおり、モネ、ルノワール等の印象派の作品をはじめ、国内外の高名な作家の作品群を所蔵されています。そして、それらの作品を公開する目的で、1978年に設立されたのが、この度、本展にて紹介する「ひろしま美術館」です。 

 産業革命後、飛躍的な工業化社会を迎え市民社会が成熟を見せ初めた19世紀後半の西欧において大きな影響力をもった芸術表現の潮流であるいわゆる印象派。当初は揶揄の意をこめた呼称も、いまでは東洋の片隅にある日本においては、西洋絵画と同義に巷間では使われています。

 日本でも明治維新後留学生を通じて西洋文物の収集に努めた維新政府により、文化芸術の分野において直接にふれたのが、印象派周辺の画家たちであり、後に貴族院議員となった洋画家の黒田清輝は、公教育でも指導的役割を果たし、自身が創設に尽力した東京美術学校西洋画科からは印象派の流れを受けた外光派と呼ばれる一群の画家たちが育ちました。

 本展では、当美術館の開館25周年を記念し、また設立から40年を迎えたひろしま美術館が所蔵する華麗なコレクションから、印象派を中心とするフランス近代絵画と、その影響を受けた日本の近代洋画の発展の歩みを見つめる作品の数々を紹介いたします。

- 存在のむこう側 - 李 暁剛展 9月7日(土曜日)~10月20日(日曜日)

 チラシ表 チラシ裏

 当館では、これまで館蔵作品を中心に李 庚、陳 允陸など伝統的中国画の流れを汲み現代中国及び日本の画壇で活躍する作家の紹介をしてきました。それと併せて現代中国の画壇を理解する上では西洋画(油画)での表現方法を追求する潮流も見逃せないもので、そのなかでテンペラと油彩の混合技法を用いて2000年当時、すでに広く注目を集めていた 李 暁剛を当館において採り上げ、紹介いたしました。

 李暁剛は1958年北京に生まれました。文化大革命の余韻が残る1980年代前半に入学した北京解放軍芸術大学絵画科では、ロシアのアカデミックな美術教育に基づく「社会主義リアリズム」と徹底的な写実表現を学んだといいます。そこでは自己の内面表現や個性が評価されない傾向にあったことも後に述懐しています。

 卒業直後から中国美術展などで入賞を重ね、北京オペラ劇場で舞台設計を担当しながらパリ美術大学において西洋画の基礎を学んでいます。1988年に福岡県立美術館で開催された「中国油画展」への出品を経て1989年に渡日し、1993年からは制作の傍ら大阪教育大学大学院で前田律夫教授のもとでテンペラを研究しています。その後は小磯良平展での入選をはじめ白日会展や日展などで着実に実績を重ね、日展では審査員を務めています。

 李の絵画表現については、テンペラの技法を使用した初期のチベットを中心とした中国少数民族をはじめとする作品の精緻な写実に基づく人物描写には、渡日後に接したA.ワイエスやスペイン・リアリズム、高山辰雄に大きな影響を受けたと自身は語っています。また、塩田昌弘は、特に人物画において、小磯良平展入賞作品の「海からのメッセージ」以降に多用される、主要モチーフの写実性とその背景の抽象性に注目し、中国工筆画と写意画の伝統を李独自の視点で止揚し表現したものとも指摘しています。

 李は現在では、2001年に描かれた世界最大級のテンペラ画とされる大阪天王寺の古刹一心寺の高さ10m×幅25mの大壁画「雪山弥陀三尊図」で試みられた点描による描写をさらに推し進め、本展にも出展されている「ベンチ」、「猫」、「モデルB」など従来の写実表現に囚われない力強い筆触の作品も次々と発表しています。

 前回展から20年を経て、白日会展や日展をはじめ着実に実績を重ね、また、北京中央美術学院などでヨーロッパ古典絵画について繰り返し研鑽を重ねながら、迫真の写実と抽象性が組み合わされた独自の視点とともに、中国少数民族を丹念に、また独特の感性で描きあげ、「ラブラン寺の僧侶たち」にみる淡々と、しかし力強く積み重なる日々の営みの一瞬の輝きを切り取る技術など、一層深まった李ならではの作品世界を紹介します。 

三代目 磯尾柏里 彫刻展 -明日を見つめて-  7月20日(土曜日)~8月25日(日曜日)

チラシ表  チラシ裏

 当館において平成13年度に開催した二代目磯尾柏里遺作展からほぼ20年を経て、このたび植野記念美術館開館25周年に併せて本年還暦を迎えた三代目磯尾柏里(本名 隆司。以下柏里という)の個展を開催いたします。

 柏里は旧氷上郡柏原町(現丹波市)柏原本町で生まれました。健治(祖父・初代柏里)、健一(父・二代目柏里)、関口寛治(叔父)など彫刻に携わる家族・親族に囲まれた環境に育ち、幼少の折から祖父や父の仕事を目の当たりにしながら成長しました。

 金沢美術工芸大学では塑造を学び、昭和58年卒業直後に日展と日彫展に初入選しました。この15回日展では、二代目柏里と関口寛治氏も同時に入選し、周囲を驚かせたという逸話が残っています。

 以降現在まで日彫展には連続出品され、日展も入選を重ね、2000年 32回展出展作「大地2000」で、2007年 第39会展出展作「明日へ」で、それぞれ特選を受賞され、現在は日展会員として活躍されています。

 初代柏里は、木彫をよくし、時事性・社会性に富んだものから人体・群像彫刻、技芸天・悲母観音などの仏教彫刻など多様な作品を遺しています。他に、柏原八幡神社の狛犬、柏原藩陣屋跡の田捨女の石彫もよく知られていますが、その作品からは、いまに伝わるその一徹な人柄からは想像できない対象に対する深いやさしさが感じられます。なお、柏里という号は、その作品と人柄に惹かれた昭和十年代に篠山在勤の毎日新聞記者であった斉藤子郊氏から贈られたものです。

 二代目柏里は、展覧会出展作品としては一貫して牛をテーマとし、その生命力と力強さ、一途な愛情が感じさせるものが多いように思えます。市場に出ることを想定した木彫作品は、初代よりもさらに温かさを感じさせます。柏原歴史民俗資料館に現在展示されている「武者行列」は昭和14年に制作されたもので、地元の情景をユーモアを交えて暖かく再現し、来館者を楽しませています。

 三代目柏里は人体表現に打ち込み、青年の若々しさ、苦悩、少女の不安など瑞々しい感性で表現しつつ、初代柏里の一徹さ・厳しさをその内に秘めていると評されています。代表作「明日へ」は未来を希求する強い意志を見る人に感じさせる作品です。

 本展では、開館25周年記念展として、ほぼ40年間にわたる三代目磯尾柏里の創作活動の歩みをみなさんに紹介いたします。

 

開館25周年記念館蔵品展 中国現代花鳥画の世界 -斉白石に導かれたひとたち-                                   併催 安田一族の水墨画展       6月1日(土曜日)~6月30日(日曜日)          

 チラシ中国館蔵品 表  チラシ 中国館蔵品 裏

 本展では、館蔵品のなかから花鳥画を中心に、中国近代伝統的絵画のなかで最後の文人画家として活躍した斉白石(1864年~1957年)と生前親交があった呉作人(1908年~1997)、斉白石の教えを受けた王雪濤(1903~1982)、娄師白(1918年~2010年)、許麟盧(1916年~2011)、第四子の斉良遅(1921年~2003年)、第五子の斉良巳(1923年~1988)等7人の作家の作品を紹介します。それらの作品は、斉白石の強い影響を受けながら、中国伝統的絵画の様々な特徴を取り入れつつ、色彩感や筆致に個性を発揮し、現在でも大きな支持を得ています。吉祥を表わす様々なモチーフにお国柄を感じさせつつ、ユーモアと謹厳さを漂わせた作品の数々を紹介いたします。

 また併催として、旧氷上郡において近代水墨画壇の本流にあった安田家に関わる画人の作品を紹介いたします。

ピエゾグラフによるいわさきちひろ展 4月13日(土曜日)~5月19日(日曜日)

  いわさきちひろ展チラシ表 いわさきちひろ展チラシ裏

「子ども」を生涯のテーマとして描き続けた画家・いわさきちひろ。

大正から昭和にかけての激動の時代を生きたちひろは、戦後、絵本や絵雑誌、教科書など、印刷美術の世界で活躍しました。彼女が残した9500点を超える作品は、今もなお多くの人に親しまれています。

母性の画家とも呼ばれるちひろは、モデルなしで10ヶ月と1歳のあかちゃんを描き分けられたという観察力とデッサン力を駆使して、子どものあらゆる姿を描き出しました。

本展では、季節の花々と子どもたちの姿を描いた代表作や、教科書副読本「たろうとはなこ」、絵本『おにたのぼうし』『おやゆび姫』『戦火のなかの子どもたち』など、ちひろの作品約100点をピエゾグラフにて展示し、画業の全貌をご紹介いたします。子どものしあわせと平和を願って描き続けたちひろの世界をお楽しみください。