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水道水の水質について

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年4月7日更新

Q1 マンガンを除去する場合、次亜塩素酸の過剰な投入が必要となるか?

A 接触濾過法は、「理論上は、マンガン1mgに対して塩素1.29mgが対応する」(※1)ため、例えばマンガンの濃度が0.25mg/Lの場合、理論上必要とされる塩素濃度は0.33mg/Lです。

 ただし、運転管理上「遊離残留塩素の存在は絶対条件であり、沪過水の遊離残留塩素を0.5~1.0mg/Lとなるように塩素剤の注入を行わなければならない。」(※2)とされており、必要な塩素をろ過前に添加しますが、水道法上不可欠とされる消毒剤以外の薬品を必要としないこの方法は、最も効率的で効果的な処理方法です。

 水道法により、「末端の給水栓で0.1mg/L以上の残留塩素を確保しなければならない」ため、配水中の消失量を検討して浄水場出口での残留塩素濃度が確保できるよう必要な場合は塩素を追加しますが、水道水の水質管理上、どこの浄水場でも行う必要かつ一般的な塩素管理です。

 ※1 水道施設設計指針2012((社)日本水道協会)p336
 ※2 水道維持管理指針1998((社)日本水道協会)p248

Q2 塩素臭が強くなり味も悪くなる?

A 「次亜塩素酸は,水中にアンモニア,アミノ酸,アミン類などがあると反応してモノクロラミン(Nh2Cl)及びジクロラミン(Nhcl2)を生成する。(中略),ジクロラミンは遊離残留塩素よりも塩素臭が強い。トリクロラミンは消毒効果がなく,特有の刺激臭がある。」(※3)とされており、ジクロラミン、トリクロラミンが塩素臭の原因となっています。

 しかしながら、「地下水では,ほとんどが無機態窒素で,アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素は非常に少なく、硝酸態窒素はやや多く含まれる。」(※4)とされており、原因となるアンモニア態窒素は、東芦田水源の性質上非常に少ないと考えます。

 また、昭和59年6月に厚生省は「おいしい水研究会」を設置し“おいしい水の水質要件”を次のようにまとめていますが、給水時の塩素濃度は管理できます。
「蒸発残留物30~200mg/L、硬度10~100mg/L、遊離炭酸3~30mg/L
  過マンガン酸カリウム消費量3mg/L以下、臭気度3以下
  残留塩素0.4mg/L以下、水温  最高20℃以下」(※5)

 また、次亜塩素酸による「残留塩素は消毒効果の保証としての意義が大きいが,残留塩素が多すぎると塩素臭が強くなり,金属などの腐食性を増し障害となることもあり,またトリハロメタン等の副生成物の問題があるので,必要最小限にとどめることが必要である。」(※3)とされていますが、次亜塩素酸の濃度や原因物質(アンモニア態窒素やフミン質)の有無が問題発生に影響するものであり、有機物の少ない良質な地下水を処理する場合に問題になると考えるのは妥当ではありません。

(参考)「一般に、過マンガン酸カリウム消費量(現行の水質基準では代替の指標としてTocに変更になっています。)の大きな水は、有機物の含有量が大きいことを示している。土壌に由来するフミン質を多く含む場合や水道水源にし尿、下水または工場排水が混入した場合に増加する。」(※6)

 ※3 上水試験方法2011((社)日本水道協会) p82、p83 「残留塩素」
 ※4 上水試験方法2011((社)日本水道協会) p117「総窒素」
 ※5 上水試験方法2011((社)日本水道協会) p22「味」
 ※6 上水試験方法2011((社)日本水道協会) p44「過マンガン酸カリ消費量」

Q3 ポット、やかん、電気温水器などが腐食する?

A 前述のとおり、配水時の残留塩素濃度は必要最小限確保したうえで濃度管理するため、通常の残留塩素濃度で腐食することは考えられません。
 なお、ポットなどの底に白い皮膜(スケール)が付着することがありますが、これは水道水の硬度が高くて蒸発残留物(カルシウム、マグネシウムなどの塩類及び有機物)が多いことが原因とされており、塩素が原因ではありません。

Q4 二酸化マンガンが十分濾過されない場合、黒褐色の二酸化マンガンなどが水道管内部に蓄積し、赤水の原因となる?

A マンガン接触濾過法は、水中に溶解しているマンガンを酸化し、不溶解性のマンガン酸化物として濾過し除去するものであり、効率的かつ効果的に除去できるため、心配されている状況は発生しません。

Q5 次亜塩素酸はステンレスを溶かしニッケル、鉄、クロムを発生させる恐れがあり、ニッケルとクロムは金属アレルギーを引き起こし、クロム(4価)は発ガン性物質で、クロム(6価)も極めて高い毒性を持ちますが大丈夫?

A 錆びにくい、つまり耐腐食性を持つことが最大の特徴でもあるステンレスですが、どのような環境でも万能というわけではありません。そもそもステンレスが使われる条件というのは、環境条件が厳しく腐食が進みやすいため他の鋼材が使えないという場合であり、そのような環境下では次亜塩素酸も原因となることが判っていますが、通常の環境ではあまり問題になりません。

 一方、水道施設に用いられる資材または設備(以下「資機材」)の材質は、水道法に基づく省令(※7)により、耐食性等の基準が定められており、材質に関する試験(※8)に適合するもの以外は使用されません。

 また、家庭で使われる給水器具についても、水道法施行令に基づく省令(※9)により浸出や防食に関する基準(※10)が定められており、違法な資機材及び給水用具が使用されない限り心配されている金属が溶出することはありません。

 なお、ステンレスに使用されるクロムは3価クロムで人体の必須栄養素(無毒)でもあり、溶出試験によっても6価クロムにならないことが確認されており(※11)、「鉄及びその化合物」と「6価クロム化合物」は水質基準項目に、「ニッケル及びその化合物」は水質管理目標設定項目(注)とされています。
 注)水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上注意すべき項目。丹波市では柏原支所で年1回測定しているが、検出されたことはない(0.001mg/L未満)

※7  水道施設の技術的基準を定める省令(平成12年厚生省令第15号)第1条第17号
※8  資機材等の材質に関する試験(平成12年厚生省告示第45号)
※9  給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号)
※10 給水装置の構造及び材質の基準に係る試験(平成9年厚生省告示第111号)
※11 腐食センターニュース((社)腐食防食協会 腐食センターNo.033)

Q6 次亜塩素酸から発生する塩素と有機物が反応して発ガン性物質のトリハロメタンを生成する恐れがある?

A 「塩素消毒による消毒副生成物に関しては、フミン質を含む原水を塩素処理するとトリハロメタン等の有機塩素化合物(Tox)を生成する」(※11)ことはよく知られています。

 「トリハロメタンは、屎尿、下水処理水やパルプ工場廃液などの高分子有機物を含んだ水や自然界に普遍的に存在するフミン質を含んだ原水を塩素処理することにより、その副生成物として生成され。」(※12)ます。
 「水道水のトリハロメタンは、浄水工程中で原水に含まれているフミン質などと消毒剤として用いられている塩素が反応して生成されたもの」(※12)ですが、一般的に、飲料水中のトリハロメタンは、過マンガン酸カリウム消費量(有機物量、現在はTocを指標とする。)が多い原水を処理した場合や水温及びPh値が高いときに生成量が増加し、塩素の接触時間とともに生成量が増加」(※12)します。

 丹波市内の各水源は、有機物量が非常に低い水源であり、トリハロメタンの原因物質も非常に少ないため、すべての浄水場において水道水質基準値(0.1mg/L)以下となっています。
 なお、トリハロメタンは3ヵ月毎に検査が義務づけられており、すべての水道水で監視されています。

※12 上水試験方法2011((社)日本水道協会) p394、p396、p397

添付資料

 マンガンと水道水 [PDFファイル/6.76MB]