○丹波市古民家再生促進支援事業補助金交付要綱
令和2年4月27日
告示第478号
(趣旨)
第1条 この要綱は、伝統的木造建築及びその技術の維持並びに継承を図るとともに、地域資源である古民家の再生、有効活用及び地域活性化を図ることを目的とし、古民家を改修し再生させる者に古民家再生促進支援事業補助金(以下「補助金」という。)を交付することに関し、丹波市補助金等交付規則(平成16年丹波市規則第42号)に定めるもののほか必要な事項を定めるものとする。
(1) 古民家 市内のおおむね50年以上前に伝統的木造建築技術により建設された住宅又は併用住宅で、次に掲げる要件全てを満たすものをいう。
ア 軸組工法で造られた建築物
イ 接合金物に頼らない伝統的な継ぎ手・仕口を用いた建築物
ウ 筋交い等の斜材を多用せず「貫」を用いた建築物
エ 主要な壁が土塗り壁等の湿式工法を用いた建築物
オ 屋根が和瓦、茅葺き等伝統的素材を用いた建築物
(2) 空き家 現に居住その他の使用がなされていない一戸建ての住宅又は併用住宅で、補助金の交付申請時に、住宅及び同一敷地内にある建築物において、居住その他の使用がなされていない期間が6月以上のもの
(3) 地域活性化施設等 地域活動若しくはまちづくり活動の拠点、宿泊体験施設及びチャレンジショップ等の地域活性化に資する施設、又は移住者向け賃貸住宅をいう。
(補助対象者)
第3条 補助の対象となる者は、古民家を所有、賃借又は購入し、かつ、古民家を再生する改修工事を行い、改修工事が完了した日から10年以上、地域活性化施設等として活用する者とし、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 自治会、自治協議会、自治振興会又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項の規定に基づく市長の認可を受けた地縁による団体
(2) 次の項目の全てに該当する法人
ア 5人以上の構成員等により組織され、市長が特に認める者
イ 法人の定期総会、役員会等において、地域活性化施設等として活用する古民家(以下、「補助対象古民家」という。)の改修工事の実施及び地域活性化施設等として活用する事業について承認を得ていること。
ウ 定期的に予算を調製、決算及び決算監査を行っていること。
エ 活動内容及び会計に関する情報を開示することができること。
オ 古民家の活用について、補助対象古民家が存する自治会の同意を得ていること。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる者は補助の対象者としない。
(1) 丹波市暴力団排除条例(平成23年丹波市条例第53号)第2条第1号に規定する暴力団又は同条第2号に規定する暴力団員及びその団体の役員又は団体を代表する者で役員以外の者が暴力団員である場合
(2) 営利を目的とする者。ただし、補助対象古民家を活用する事業のみの独立した予算を編成し、当該事業により生じた収益については当該事業でのみ活用する場合は、この限りでない。
(補助対象古民家)
第4条 補助対象古民家は、次の各号のいずれにも該当するものとする。
(1) 丹波市内に存しており、空き家であること。
(2) 改修後において、別表第1に定める耐震基準を満たし、建築士法(昭和25年法律第202号)第2条に規定する建築士(以下「建築士」という。)の確認を受けたもの又はその他の措置により補助対象古民家の利用者等の安全が確保されるもの
(3) 次に掲げる区域内に存する古民家でないこと。
ア 土砂災害特別警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区域
イ 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項に規定する地すべり防止区域
ウ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域
エ 建築基準法(昭和25年法律第201号)第39条第1項に規定する災害危険区域
2 移住者向け賃貸住宅として活用する場合は、歴史的景観形成地区等兵庫県が認める地区に存する古民家であること。
3 補助対象古民家を賃借する場合は、次の要件をすべて満たしていること。
(1) 改修工事の完了日以降、10年以上の賃借期間が担保されていること。
(2) 改修工事の実施について、古民家の所有者等の同意があること。
(3) 賃借期間終了後の原状回復義務が免除されていること。
(4) 買取請求権が放棄されていること。
(補助対象事業等)
第5条 補助対象事業は、前条に規定する補助対象古民家で行う事業のうち、兵庫県が実施する古民家再生促進支援事業(以下「県事業」という。)の採択を受けられるもの、かつ、国土交通省が実施する空き家再生等推進事業又は空き家対策総合支援事業の対象となるものとする。
2 改修工事は、補助金の交付決定後に着手し、当該補助金の交付決定のあった日の属する年度内に完了しなければならない。
3 補助金の交付は、同一の古民家に対して1回限りとする。
(補助対象経費)
第6条 補助金の交付の対象となる経費(以下「補助対象経費」という。)は、古民家を再生し活用するための機能回復、又は設備改善に必要な改修工事に要する経費のうち、県事業の補助金の交付の対象となる経費とする。
2 補助対象古民家について、本事業以外の助成制度を過去に受けている場合、又は同時に申請する場合にあっては、本事業以外の助成制度の助成対象経費を控除したものとする。
(補助金の交付申請)
第8条 補助金の交付を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、補助対象事業の着手前に、丹波市古民家再生促進支援事業補助金交付申請書に、別表第3に掲げる書類を添えて、市長に提出するものとする。
(補助金の交付決定等)
第9条 市長は、前条に規定する申請書を受理したときは、市長が別に定める規定によりその内容の審査を行い、補助金の交付の可否を決定し、丹波市古民家再生促進支援事業補助金交付(不交付)決定通知書により、申請者に通知するものとする。
2 市長は、前項の規定による決定について必要があると認めるときは、条件を付すことができる。
(補助金の概算払)
第10条 市長は、必要があると認めるときは、交付決定額を上限として、補助金の概算払をすることができる。
2 補助金の交付の決定の通知を受けた者(以下「補助事業者」という。)は、前項の規定により概算払を受けようとするときは、交付決定日から起算して14日以内に、丹波市古民家再生促進事業補助金概算払請求書を提出するものとする。
(交付対象事業の内容の変更)
第11条 補助事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに丹波市古民家再生促進支援事業補助金変更・中止(廃止)承認申請書に関係書類を添えて、市長に提出し、承認を受けなければならない。
(1) 補助事業の内容又は経費の配分の変更をする場合(市長が別に定める軽微な変更を除く。)
(2) 補助事業を中止し、又は廃止する場合
2 市長は、前項の規定による申請書を受理したときは、その内容を審査し、丹波市古民家再生促進支援事業変更・中止(廃止)承認(不承認)決定通知書により補助事業者に通知するものとする。
(工事の着手及び完了届)
第12条 補助事業者は、工事に着手したときは工事着手届を、工事が完了したときは工事完了届を遅滞なく市長に提出するものとする。ただし、緊急の場合等やむを得ない事情があると市長が認めたときは、この限りでない。
(実績報告)
第13条 補助事業者は、補助対象事業が完了したときは、事業完了の日から起算して30日以内又は交付決定のあった日の属する年度の3月15日のいずれか早い日までに、丹波市古民家再生促進支援事業完了実績報告書に、次の各号に掲げる書類を添えて市長に提出するものとする。ただし、市長が認めた場合、その一部を省略することができる。
(1) 改修工事に係る収支決算書
(2) 補助対象経費の内訳が確認できる書類
(3) 改修工事に係る工事請負契約書等の写し
(4) 改修工事費の領収書及び金融機関振込依頼書の写し
(5) 改修箇所並びに改修状況を確認できる改修中及び改修後の工事写真(改修中の工事写真は改修後に目視で確認できない施工箇所を撮影したものを含む。)
(6) その他市長が必要と認める書類
(補助金の額の確定等)
第14条 市長は、前条に規定する実績報告書を受理したときは、当該報告に係る書類の審査及び必要に応じて現地調査等を行い、補助金交付決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し、丹波市古民家再生促進支援事業補助金額確定通知書により補助事業者に通知するものとする。
2 市長は、確定した補助金の額が、交付決定の額と同額であるときは、前項の規定による通知を省略することができる。
(1) 交付決定の内容又はこれに付した条件に違反したとき 補助金の額の全額
(2) 偽りその他不正な手段により補助金の交付を受けたとき 補助金の額の全額
(3) 補助事業者が、当該補助事業に係る改修工事が完了した日から起算して10年以内に、補助金の交付を受けて改修した古民家を、当該補助事業の趣旨に反して他の用途に使用したとき又は使用しなくなったとき(市長がやむを得ない理由があると認める場合を除く。) 次の区分による。
ア 改修工事完了の日から起算して5年未満の場合 補助金の額の全額
イ 改修工事完了の日から起算して5年以上10年未満の場合 補助金の額の2分の1の額
(4) 市税、公共料金等を滞納したとき 補助金の額の全額
(5) その他市長が補助金を交付することが不適当と認めたとき 市長が別に定める額
2 市長は、前項の規定により補助金の交付決定を取り消したときは、丹波市古民家再生促進支援事業補助金交付決定取消通知書により、当該補助事業者に対し通知するものとし、補助金を返還させるときは、丹波市古民家再生促進支援事業補助金返還命令書により補助事業者に対し命じるものとする。
(報告義務)
第17条 補助事業者は、丹波市古民家再生促進支援事業利用状況報告書を工事が完了した日が属する年度の翌年度から10年間、毎年度末に市長に提出するものとする。
2 市長は、補助対象古民家について改修工事完了後の活用状況等の確認が必要であると判断するときは、現地確認及び必要な報告を求めることができる。
(その他)
第18条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(令和3年3月29日告示第159号)
この要綱は、令和3年4月1日から施行する。
別表第1(第4条関係)
項 | 耐震診断区分 | 用途 | 耐震基準 |
1 | 国土交通省住宅局建築指導課監修「木造住宅の耐震診断と補強方法」又は一般財団法人日本建築防災協会発行「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」による一般診断法又は精密診断法 | 不特定多数の者が利用する施設 | 上部構造評点が1.0以上 |
上記以外 | 上部構造評点が0.7以上 | ||
2 | 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第3章第8節に規定する構造計算による耐震診断 | 全て | 構造計算により安全性が確かめられること。 |
3 | 上記1と2に掲げる方法と同等と認められる耐震診断 | 全て | 上記1又は2の耐震基準と同等の耐震性を有すると認められること。 |
別表第2(第7条関係)
補助対象経費 | 補助金限度額 |
500万円以上1,000万円未満 | 250万円 |
1,000万円以上1,500万円未満 | 400万円 |
1,500万円以上 | 500万円 |
別表第3(第8条関係)
申請時添付書類 | |
(1) | 改修工事に係る事業計画書及び収支予算書 |
(2) | 改修工事完了から10年間の補助対象古民家を活用する事業の実施計画書及び収支計画書 |
(3) | 補助対象古民家の位置図及び改修工事を行う部位を明記した図面 |
(4) | 補助対象古民家の写真(外観、改修予定箇所が確認できるもの) |
(5) | 改修に要する経費に係る見積書の写し(原則3者以上) |
(6) | 設備機器のカタログの写し |
(7) | 補助対象古民家の所有者が確認できる書類 |
(8) | 補助対象古民家の所有者からの施工承諾書(賃借した古民家を改修しようとする場合のみ) |
(9) | 補助対象古民家に係る賃貸契約書の写し(賃借した古民家を改修しようとする場合のみ) |
(10) | 誓約書 |
(11) | 改修工事前後の耐震性が確認できる書類 |
(12) | ひょうご住まいのサポートセンターの「古民家再生提案報告書」(報告を受けた場合のみ) |
(13) | 古民家調査報告書(建築士が作成したもの。(12)の書類の提出がない場合のみ) |
(14) | 登記事項証明書(法人の申請者の場合のみ) |
(15) | 申請者の定款、約款又は規約及び申請年度の役員名簿 |
(16) | 申請者の総会又は役員会等で当該事業の実施について承認された会議の議事録の写し |
(17) | 事業の自己資金の財源を確認できる書類又は資金計画書 |
(18) | 自治会の古民家の活用内容についての同意書(法人の申請者の場合のみ) |
(19) | その他市長が必要と認める書類 |
備考 | 交付申請書に添付する書類について、市長が認めた場合は、その一部を省略することができる。 |