過去の展覧会 令和4年度

更新日:2024年03月19日

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日中国交正常化50周年記念 五岳・霊山展

​五岳・霊山展のチラシの表面
​五岳・霊山展のチラシの裏面

会期

令和5年1月14日(土曜日)~3月12日(日曜日)

休館日:月曜日​

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

日中国交正常化50周年記念 五岳・霊山展 観覧料
区分 通常料金 団体料金(20名以上)
一般 500円 400円
大学・高校生 300円 200円
小・中学生 150円 100円

ココロンカード利用可、小学生未満は無料

身障者の方は身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳のご提示でご本人を入れて2名様まで半額。

展覧会要旨

 この度は2022年に日中国交正常化50周年を迎えたことを記念して、日中両国における山地への信仰をテーマとした企画展を開催しました。中国の山水画には山岳を信仰し、自然を理想郷として描き出す伝統があります。道教・仏教の聖地である「五岳(ごがく)」と呼ばれる山々や世界遺産の「黄山(こうざん)」など、中国には多くの霊峰があり、古くから絵画の主題として描かれてきました。中国から伝わった山水画は日本の絵画史にも大きな影響を与えました。日本美術においても自然との調和を志向した山水表現が多く見られます。

 今回は当館で過去に開催した山水画展との差別化を図るために、中国の数ある霊峰の中でも特に「五岳」など実在する中国の霊山を主題とした作品を中心におよそ80点の作品を展示しました。​近現代の中国の画家たちが描いた山水画と、日本の画家たちが描く作品を併せて紹介しました。日中両国の山水画の特徴を見比べてお楽しみいただきました。当館の館蔵品のほか、和泉市久保惣記念美術館及び丹波市立春日歴史民俗資料館のコレクションを特別に展示しています。また、陳 允陸(ちん いんりく)氏ら現在も活躍中の作家による新作を本展で初公開しました。

 会期中には、本展の監修者・陳氏による講演会や山水画ワークショップの開催し、ご来館の皆さんに山水画の魅力について紹介いただきました。また、展覧会関連イベントとして京都を拠点に演奏活動をおこなっている中国琵琶奏者の葉 衛陽(よう えいよう)氏とさくら氏の親子によるミュージアム・コンサートを開催しました。

用と美 暮らしの中の文化財

犂県文化財指定記念展のチラシの表面
犂県文化財指定記念展のチラシの裏面

会期

令和4年11月26日(土曜日)~12月25日(日曜日)

休館日:月曜日​

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

用と美 暮らしの中の文化財 観覧料
区分 通常料金 団体料金(20名以上)
一般 310円 260円
大学・高校生 210円 150円
小・中学生 100円 50円

ココロンカード利用可、小学生未満は無料

身障者の方は身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳のご提示でご本人を入れて2名様まで半額。

展覧会要旨

 丹波市市島町の梶原遺跡(かじわらいせき)より出土した「犂(からすき)」が兵庫県の文化財に指定されたことを記念して、人々の生活と深く結びついた文化財や工芸品を中心に取り上げる展覧会を開催しました。指定の犂2点をはじめ、同じ遺跡から発掘された考古資料のほか、丹波市内の遺跡から出土した美術工芸品を展示しました。これら丹波市の考古・民俗資料の展示を通して、その歴史的な位置づけや地域的な特性を体感していただきました。また、当館の所蔵品からも景徳鎮の陶磁器や陶磁板画、パプア・ニューギニアの民族芸術品など、当館の創設者・植野藤次郎氏が生前に蒐集したコレクションを紹介しました。実用性も考慮して制作されたこれらの作品の、造形的な面白さをご覧いただきました。

 近代の日本で暮らしの中の造形に対する関心が高まったのは大正末期、1926年頃のことです。美術評論家の柳宗悦(やなぎ むねよし)が民衆の工芸品、略して民芸という概念を提唱しました。西洋的な「美術史」の思想が導入された当時の日本では、作者不詳の日用雑器は美術(ファイン・アート)として認められていませんでした。柳らによる民芸運動は民芸品の「用の美」を認識し、その技術の保存や普及を図ろうとするものです。民芸運動では作品の実用性と一点ものではない多数性が重視される一方で、機械による廉価な大量生産ではなく手仕事が尊重されました。また、その地域ならではの地方性も大事にされました。近代的な意味での民芸品とは性質が少し異なるものもありますが、本展で紹介する作品の多くは日々の暮らしの中あるいは儀礼などの特別な場での「使用」を念頭に制作されたものです。展示品の「用」の側面に注目して、その造形的な「美」をお楽しみいただきました。

美人画開花 培広庵コレクション展

美人画開花培広庵コレクション展のチラシの表面
美人画開花培広庵コレクション展のチラシの裏面

会期

令和4年9月17日(土曜日)~11月6日(日曜日)

休館日:月曜日(但し、9月19日[月曜日・祝日]10月10日[月曜日・祝日]は開館、翌火曜が休館)​

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

美人画開花 培広庵コレクション展 観覧料
区分 通常料金 団体料金(20名以上)
一般 600円 500円
大学・高校生 300円 200円
小・中学生 150円 100円

ココロンカード利用可、小学生未満は無料

身障者の方は身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳のご提示でご本人を入れて2名様まで半額。

展覧会要旨

 培広庵(ばいこうあん)氏が蒐集してきた近代の美人画コレクションを丹波市で初公開しました。培広庵コレクションは、明治から昭和にかけて活躍した日本画家による作品約130点から構成されています。その収蔵作家は京都に拠点を置いて活躍した上村松園(うえむら しょうえん)をはじめ東京の鏑木清方(かぶらき きよかた)、大阪の島成園(しま せいえん)などおよそ60名に及びます。本展ではコレクション中の人気作品、上村松園による掛軸《桜可里能図(さくらがりのず)》や竹久夢二(たけひさ ゆめじ)の屏風《投扇興》など約70作品を取り上げ、明治から昭和それぞれの時代の好みや流行を反映した人物やファッションの表現を紹介しました。

 美人画は中世末の風俗画にその源をもつとされ、江戸時代の浮世絵において人気のジャンルとして定着し、多くの人に愛されてきました。その後、明治から大正、昭和にかけて浮世絵の伝統をふまえた作品から退廃的なデカダンスの雰囲気を帯びた作品まで、多様性に富んだ作品が生み出されました。描かれた人物の容貌や髪型、着物や姿勢などからその時代ごとの風俗や価値観を感じていただけるように、本展では流派や時代ごとにグループ分けして展示しました。東京画壇、京都画壇そして大阪画壇など作家の活動地域ごとに少しずつ異なる作風や、国画創作協会など大正期の「でろり」とした女性の表現など、地域ごとの特色や作家の個性を見比べてお楽しみいただきました。​

村田エミコ展 開いてみよう!木版画のとびら

村田エミコ展のチラシの表面
村田エミコ展のチラシの裏面

会期

令和4年8月6日(土曜日)~9月4日(日曜日)

休館日:月曜日

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

村田エミコ展 開いてみよう!木版画のとびら 観覧料
区分 通常料金 団体料金(20名以上)
一般 600円 500円
大学・高校生 300円 200円
小・中学生 150円 100円

ココロンカード利用可、小学生未満は無料

身障者の方は身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳のご提示でご本人を入れて2名様まで半額。

展覧会要旨

 毎年個展を開催し精力的に作品を発表してきた絵本作家・村田エミコの展覧会を関西の美術館で初めて開催しました。村田は初期の代表作『よるのどうぶつえん』(川口幸男・文、大日本図書株式会社)(1997年)で絵本作家として注目を集め、独特の木版画表現で現在に至るまで多くの作品を生み出してきました。村田エミコ作品の特徴の一つは版木に彫り跡を残す技法で、登場人物たちは動きと余韻を感じさせるように表現されています。本展では村田エミコの絵本原画およそ150点を、版木など絵本制作で使用された資料と併せて展示し村田エミコの木版画の世界を紹介しました。

 村田エミコの絵本作品には人間や動物の親子や商店街のいろいろなお店屋さんなど、たくさんのキャラクターたちが登場します。これらの登場人物同士の関わり合いを村田はユーモアとあたたかさに満ちた視線で描き出します。初めて出会う世界に興味津々の目、他者との交流のなかで出会う驚きの表情など、絵のなかに生きるキャラクターたちの感情がいきいきと表現されており、子どもたちでなく読み聞かせている大人たちも絵本の世界に引き込まれていきます。少し昔風の商店街の描写など懐かしい光景も登場します。本展ではモノトーンで仕上げた力強く個性的な初期の村田作品から、子どもの目線で描かれた愛らしく親しみやすい描写の作品、そして日本のむかしばなしにユーモアあふれる挿絵を添えた作品など、多岐にわたる作品を一堂に集めて紹介しました。

きかんしゃトーマス展 ソドー島のなかまたちが教えてくれたこと

きかんしゃトーマス展のチラシの表面
きかんしゃトーマス展のチラシの裏面

会期

令和4年5月14日(土曜日)~7月24日(日曜日)

休館日:月曜日。ただし7月18日(月曜日・祝日)は開館し、翌7月19日(火曜日)は閉館。

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

きかんしゃトーマス展 ソドー島のなかまたちが教えてくれたこと 観覧料
区分 通常料金 団体料金(20名以上)
一般 800円 650円
大学・高校生 400円 300円
小・中学生 200円 150円

ココロンカード利用可、小学生未満は無料

身障者の方は身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳のご提示でご本人を入れて2名様まで半額。

展覧会要旨

 世界中の子どもたちに愛されている「きかんしゃトーマス」の原作、『汽車のえほん』シリーズがイギリスで出版されてから75周年。原作者のウィルバート・オードリー牧師は幼い頃、家の近くを走る鉄道を眺めながら育ちました。「もしも、機関車に人間のような感情があったら…」と想像を膨らませたのでしょうか。お父さんになったオードリー牧師は、病にかかった息子を元気づけようと、擬人化された機関車のお話を語り聞かせます。これが「きかんしゃトーマス」の始まりです。

 その後、26冊の絵本が出版され、模型を使った実写アニメーションが放送されるなど、トーマスシリーズは大人気になりました。現在でもCGアニメが放映されています。トーマスの物語にはオードリー牧師の、子どもを楽しませたいという思いと、子どもに伝えたいメッセージがこめられています。「正直さ」や「仲間への思いやり」そして「努力」の大切さを伝える作品は、現代の子どもから大人まで幅広い世代が共感できることでしょう。
 本展では、日本初公開となる作品を含む約180点以上におよぶ絵本挿絵原画、オードリー牧師による手書き原稿、実写アニメーションの撮影で使用されたプロップス(小道具)など、多くの貴重な作品によってトーマスの世界を紹介しました。なぜ、トーマスがここまで広く長く愛される作品となったのか、原作者であるウィルバート・オードリー牧師が伝えたかったメッセージと、その魅力に迫ります。
 また、展示会場には「きかんしゃトーマス」のおはなしを再現したジオラマやフォトスポットなど、トーマスの世界観をより味わっていただけるコーナーを設けました。あわせて展覧会限定の特別映像の放映も行いました。

郷土の現代日本画展 親子の系譜 <併催>丹阿弥丹波子展 メゾチントからうかぶモノ

郷土の現代日本画展のチラシの表面
郷土の現代日本画展のチラシの裏面

会期

令和4年4月9日(土曜日)~5月5日(木曜日・祝日)

休館日:月曜日

開館時間

午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

郷土の現代日本画展 親子の系譜<併催>丹阿弥丹波子展 メゾチントからうかぶモノ 観覧料
区分 通常料金 団体料金(20名以上)
一般 310円 260円
大学・高校生 210円 150円
小・中学生 100円 50円

ココロンカード利用可、小学生未満は無料

身障者の方は身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳のご提示でご本人を入れて2名様まで半額。

展覧会要旨

 丹波市には、芸術分野で活躍する作家たちが数多くおり、その分野も多岐にわたります。今回は、丹波市ゆかりの作家の内、親子揃って絵画の世界で活動した2組の作家を取り上げ、植野記念美術館及び丹波市内の施設で所蔵されている作品を約55点紹介しました。

 一組目は、常岡文亀(ぶんき)・常岡幹彦(みきひこ)父子です。柏原町出身の日本画家・常岡文亀(1898~1979)は、東京美術学校(現・東京藝術大学)卒業後、帝展や日展で活躍しながら、母校の教授として東山魁夷(かいい)(1908~1999)ら後進の指導にも力を注ぎました。また、文亀の長男である常岡幹彦(1930~2015)は、東京芸術大学日本画科を出て日展入選を重ねたのちに、独自の「玄(くろ)」の世界を追求しました。

 もう一組は、山本茂斗萠(もとめ)・中尾英武(ひでたけ)父子です。東京出身の山本茂斗萠(1902~1985)は東京美術学校を卒業後、柏原町で長年美術教師を勤めながら、堂本印象(どうもと いんしょう)(1891~1975)の画塾「東丘社」(とうきゅうしゃ)で学び、丹波から多くの作家や美術教師を輩出しました。その実子である柏原町出身の中尾英武(1943~2021)は、京都市立美術大学卒業後、父同様「東丘社」に所属して、日展や日春展等で入選・入賞を重ねて活躍しました。

 また併催展として、メゾチント技法を得意とする銅版画家・丹阿弥丹波子の作品を展示しました。東京出身の丹阿弥丹波子(たんあみ にわこ)(1927~)は、氷上町出身の母を持ち、日本画家の父・丹阿彌岩吉(たんあみ いわきち)(1901~1992)を持つ作家でもあります。画家として用いる素材・技法は違うものの、親子で同じ絵画の道を歩んだ丹波ゆかりの作家として、当館所蔵の作品を約15点紹介しました。

この記事に関するお問い合わせ先

植野記念美術館
〒669-3603 兵庫県丹波市氷上町西中615番地4
電話番号:0795-82-5945

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