石造宝筺印塔 (神池寺)
県指定文化財 (建造物) 昭和51年3月23日指定
- 所在地 市島町多利2609-1
- 所有者 神池寺
- 管理者 神池寺

神池寺常行堂の前庭隅にほぼ南面して建つ。石英安山岩製で、基壇が改変されているほかは保持良好で、高さ155センチメートルである。基礎は上端に反花を刻み出し、各面には輪郭付き格狭間(内部素面)を入れている。
塔身は四面とも花頭窓様に形づくった龕甕を深く彫り込み、内に仏座像を半肉彫りとしている。傘の隅飾り突起はやや外傾し、それぞれ2弧の輪郭を巻く。相輪は伏せ鉢がやや背の高い円筒形であるが、九輪の逓減もほどよく、全体の形態は整っている。
無銘で、造立年代は明らかでないが、四方仏の像容や反花の彫法など各部の様式手法からみて室町時代前期ごろのものと思われる。構造・手法の秀れた貴重な石造遺品であるといえる。
更新日:2024年03月19日