慧日寺仏殿 (附 棟札1枚)
県指定文化財 (建造物) 昭和60年3月26日指定
- 所在地 山南町太田127-1
- 所有者 慧日寺
- 管理者 慧日寺

この仏殿は、桁行1間・梁間1間・1重裳階付入母屋造・檜皮葺、基壇の上に建ち、内部は甎敷き、礎盤は木製、柱は粽を有し台輪がある。下層は詰組の変形で、柱上以外は入口中央部のみに斗拱をもつ。出三斗・二軒繁垂木。上層は詰組・三手先・二軒扇垂木。扉は桟唐土、花頭窓を左右の間に付ける。側面も正面と同じ。但し桟唐土上部は正面は花狭間、側面は吹寄格子。欄間なし。
飛檐隅木遊離端はあまり下を向いていない。飛貫と頭貫の間に入口中央部だけに蓑束を用う。内部の天井は外陣化粧屋根裏・内陣は鏡天井で龍を画く。しかし小建築のせいか鏡天井部が垂直に高くなっている。絵は、天井板に直接描いたものでなく、襖仕立てにして紙に描いてあるようで古澗上人筆と伝えている。
須弥壇は唐様、高欄親柱も開花蓮(逆蓮)である。壇上に釈迦如来座像・普賢菩薩像(白象に乗る)・文殊菩薩像(青獅子に乗る)を安置。釈迦像は室町時代の作と推定され宿印仏師の作に近似する。後部外陣左側に中興別心和尚像が安置してある。
元禄15年(1702年)3月8日の上棟である。
以上のように、この仏殿はほぼ完全な禅宗様(唐様)建築で、県内では稀なものである。
更新日:2024年03月19日