世界禁煙デー・禁煙週間
喫煙が健康に与える影響は大きく、受動喫煙の危険性やニコチンの依存性を踏まえると、喫煙習慣は個人の嗜好にとどまらない健康問題であり、生活習慣病を予防する上でもたばこ対策は重要な課題になっています。
世界保健機関(WHO)は、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指し、平成元年に5月31日を「世界禁煙デー」と定めました。厚生労働省においても、平成4年から世界禁煙デーが始まる初日から1週間(5月31日~6月6日)を「禁煙週間」と定め、全国的に禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発をより積極的に行っています。
令和7年度禁煙週間のテーマ
「受動喫煙のない社会を目指して~私たちができることをみんなで考えよう~」
喫煙がもたらす影響
たばこの煙には、多くの化学物質が含まれており、そのうちの約70種類が発がん物質です。なかでも有害性が高いのがタール、ニコチン、一酸化炭素の3つです。
ニコチン | 体と心に強い依存をもたらす。発がん物質を作り出す。 |
タール | 数十種類の発がん物質。 |
一酸化炭素 |
血液中のヘモグロビンと結びついて酸素を運びにくくし、体が軽い酸欠状態になる。 |
また、たばこは糖尿病をはじめとする生活習慣病も引き起こします。喫煙する方で健診の結果が良くない方は、たばこが影響しているかもしれません。
血圧 | ニコチンが血管を収縮させるため、血管にかかる圧力(血圧)が上昇する |
脂質 |
HDL(善玉)コレステロールが減少する LDL(悪玉)コレステロールが増加する 中性脂肪が増加する |
血糖 |
糖を細胞に取り込むインスリンの働きが悪くなり、血糖値が上昇する |
上記のような異常が血管を傷つけ、心筋梗塞・脳卒中を起こしやすくします。
加熱式たばこって何?
近年、加熱式たばこが20歳代~40歳代を中心に急速に普及しています。加熱式たばこは、においや有害物質が少ないと宣伝されていますが、健康への影響や禁煙の意欲の妨げになることが報告され始めています。
「加熱式たばこ」は、たばこ葉を燃やさずに電気的に加熱し、発生するエアロゾル(粒子)を吸い込むものです。たばこ葉を使っていることから、燃焼させて煙を吸い込む「紙巻たばこ」と同じ製品になり、健康に及ぼす影響は小さくありません。
加熱式たばこは紙巻きたばこに比べ健康への影響が少ない、と思われている方は、正しい知識を持ちましょう。また、加熱式たばこによる受動喫煙についても考えていく必要があります。
周囲の人に受動喫煙させていませんか
受動喫煙とは、他の人が喫煙して発生したたばこの煙にさらされることをいいます。
たばこの煙は、喫煙者が吸い込む「主流煙」と、喫煙者が吐き出す「呼出煙」、たばこの先の部分から出る「副流煙」とに分けられます。喫煙者が吸い込む煙(主流煙)が一番体に悪いと思われがちですが、副流煙のほうが有害物質を多く含んでおり、吸わされたときの害が大きいと言われています。
換気扇の下や、空気清浄機の近く、部屋の外で吸うから受動喫煙は防止できていると思うことは間違いです。また、近年紙たばこから加熱式たばこ、電子たばこに切り替えられる方も多くなってきていますが、どちらも発がん性物質を発生させることには変わりありません。喫煙される方には、受動喫煙を防止するためにも禁煙をお勧めします。
禁煙をはじめてみませんか
【禁煙の効果】(引用:厚生労働省 eヘルスネットより)
禁煙直後 | 周囲の人をたばこの煙で汚染する心配がなくなる。 |
2週~3か月 |
心臓や血管など、循環機能が改善する。 |
20分後 |
血圧が下がる。 手が温かくなる。 |
1~9か月 |
咳や痰が改善する。 スタミナが戻る。 免疫力が上がる。 |
8時間 | 血液の一酸化炭素が減り、酸素が増える。 | 1年 |
肺機能の改善がみられる。(軽・中等度の慢性閉塞性肺疾患のある人) |
24時間 | 心臓発作の可能性が少なくなる。 | 2~4年 |
虚血性心疾患のリスクが1/3減る。脳梗塞のリスクも顕著に低下する。 |
数日 |
味覚や嗅覚が改善する。 歩行が楽になる。 |
5~9年 | 肺がんのリスクが明らかに低下する。 |
【禁煙外来を利用するのもおすすめ】
禁煙外来や禁煙補助剤を利用すると、比較的楽に、自力に比べて3~4倍禁煙しやすくなります。健康保険の適用基準を満たしている場合、1日20本のたばこ代に比べて1/3~1/2の安い費用で医療機関での禁煙治療を受けることができます。
【市内禁煙応援医療機関】
医療機関名 | 電話番号 | |
柏原地域 | あしだメディカルクリニック | 73-1800 |
氷上地域 |
県立丹波医療センター 和久医院 |
88-5200 82-1470 |
市島地域 | 吉見診療所 | 85‐0065 |
春日地域 |
赤松医院 高見医院 |
74‐0080 74‐0061 |
受診される際には、各医療機関に一度お問合せ下さい。
市の取り組み
【禁煙週間のイエローグリーンライトアップ】
丹波市では、禁煙週間である令和7年5月31日~6月6日の1週間、丹波ゆめタウン店を受動喫煙防止のシンボルカラーであるイエローグリーンでライトアップします。
【保健指導】
健診後の保健指導では、健診結果の説明とともに、喫煙者には禁煙の必要性を伝えたり、たばこに関する情報提供を行っています。
【健康相談】
市内6地域で月1回、健康・栄養相談を実施しています。日頃の食生活や健康についての相談も併せて、お気軽にご相談ください。詳しくは、以下のページをご覧ください。
更新日:2025年05月26日